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突然の地震に見舞われ、避難してきた人たちが最初に困 るのが水だ。水は日常の生活においても、生命を維持する 点からも欠かせない そんな水の世界的な不足が懸念されている。淡水の量は 全世界の水に対して3%しかなく、人口増加、工業発展、 農産物増産のために今後ますます需要が高まることが予 想される。民間会社にとって水は理想の商品となった 1980年代から英国・サッチャー首相、米国・レーガン大 統領により小さな政府、民営化、規制緩和、市場原理主 義をキーワードとする新自由主義が台頭し、1990年代に 入ると経済途上国にもこうした市場指向型経済への転換 圧力が高まっていった 世界銀行、国際通貨基金(IMF)、米州開発銀行などの 国際金融機関は、途上国への融資の条件の一つに水道 部門の民営化をあげた。そして多くの国で公営水道がコン セッション契約、リース契約、運営管理契約、民間主導の 官民共同事業という方式により民営化された スエズ、ヴェオリア、デゾーといった多国籍企業により水道 部門が民営化されると例外なく、料金は高騰し、予定され た投資は行われず、人員の削減が行われた。公営と民営 では何か異なるのか 民間企業は水が商品であり、多くを消費することが利益に つながる。従って途中で漏水していても、利用者に請求で きる限り水道管の修理を積極的に行わない 水道を引いても少量しか消費が見込めない地域への投資 は行われず、上水道へのアクセスが制限された人が減る ことはない。地方の村では、個別の家に水道メーターは設 置されず、地域全体で課金される、プリベイド式水道メータ ーが設置されたところもある 水道会社の利益は本国へ還流され、投資という形で還元 されることもない。当初の契約で定められた運営成績や 投資が実行されないことが明らかになると、水道会社は 実態に合わせて契約変更を迫ってきた 本書ではこうした世界各国で繰り広げられた水道民営化を 反対・阻止し、水道を市民の手に戻した活動の記録をまとめ ている。執筆者たちは、水道部門の責任者、政府担当者、 市民運動家といった人たちで、自らの国や地域での取り組 みを報告している フランス・グルノーブルの水道民営化とその廃棄・再構築、 ブラジル・ポルトアレグレでの市民参加型モデル、アルゼン チンにおける民営化とその失敗を受け継いだ労働組合の 活動、公営水道事業の改革を進めたボリビア・コチャバン バなど、数多くの例が収められている 本書は12ヶ国語に翻訳され、世界各地の書店、大学、図 書館、研究機関、NGO団体によって購入されている。 何でも民営化すればよいとは限らない好例が水道である 世界の〈水道民営化〉の実態―新たな公共水道をめざして
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