テーマ:ブックレビュー

『新薬の狩人たち』  ドナルド・R・キルシュ著

世の中にはあまり知られていない仕事や職業があります。「ドラッグハンター」(新薬研究者)もその一つでしょう。著者はこの ドラッグバンター として、スクイブ社、アイアナミッド社、アメリカン・ホーム・プロダクツ社などで、足かけ35年に渡って創薬研究に従事してきました。 著者は自分の経歴を知った人たちから決まって次の3つのことを聞…
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『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』 内田洋子著

この物語は冬のイタリア、ヴェネツィアから始まる。細かな雨が降り続け、昼過ぎなのにあたりの景色は無彩色に沈んでいる。ミラノを拠点にジャーナリストとして活動している著者は、ヴェネツィアのサンマルコ広場での要件を終え、足早に駅に向かっていた。 いつもの抜け道を歩いていると、路地の奥まった建物の外壁に沿って設置されているショーウィ…
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「AI vs 教科書が読めない子どもたち」  新井紀子・著

人は自分が携わっている仕事について、世の中が間違った理解をしていると憤慨するものです。著者も本書において、怒りの矛先をAI(人工知能)に対する世間の過大な評価に向けています。AIが神になることはないし、人類を滅ぼすこともない、またAIが人間の手を借りず自らを上回る能力を獲得するという シンギュラリティ (技術的特異点)は来ないと断言…
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『スタートアップ・バブル』 愚かな投資家と幼稚な起業家

1990年代の末、アメリカは好景気に沸いていた。社名に「ドットコム」とつけば、どんなIT企業の株も上昇したことから、「ドットコム・バブル」と呼ばれた。その後バブルは崩壊し、多くの投資家が痛手を被った。だが現在再びIT企業に札束が舞い込んでいる。 今回の主役はIPO(新規株式公開)で、持ち株やストックオプションによって大金持…
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『不合理だらけの日本スポーツ界』  河田剛・著

昨今は日本のプロ野球選手が大リーグへ移籍するのは珍しくなくなりました。なぜ彼らはメジャーリーグを目指すのでしょう。一つは野球の本場で自分の力を試してみたいというスポーツ選手としての気持ちです。そしてもう一つは報酬の魅力でしょう。 アメリカでは野球以外のフットボールやバスケットボールといったスポーツでも、選手はもちろん、…
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『荒くれ漁師をたばねる力』  坪内知佳・著

『君たちはどう生きるか』という本がベストセラーになっています。先行きが不透明で、将来が見通せない時代を迎えているためかもしれません。社会の安定の礎であったはずの終身雇用や社会保障は制度疲労により雲行きが怪しくなり、親や先輩諸氏の生き方は手本にならず、頼りになるのは自分だけという世の中になりつつあります。 山口県萩市の北…
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『ブロックチェーン・レボリューション』  ドン・タプスコット&アレックス・タプスコット著

今や私たちの生活に欠かせなくなったのがネットシッピングです。インターネットにより自由にモノを売買できるようになったと思われがちですが、本当に自由なのでしょうか ・・・ ネットを通じてモノを売り買いするには、必ずアマゾンや楽天といったウェブサイトの運営会社や、クレジットカード会社といった第三者の仲介を必要とします。この第…
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『超監視社会』  ブルース・シュナイアー著

今や警察の捜査に欠かせないのが防犯カメラによる映像だ。警察の捜査に協力するため防犯カメラの映像を提供することに反対する人は少ないだろう。だが防犯カメラは事件とは関わりなく、絶えず私たちを監視し続けていている。近い将来、録画された映像が良からぬ目的のために利用される恐れもある。 防犯カメラの映像だけでは個人を特定すること…
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『枕草子のたくらみ』  山本淳子・著

枕草子のたくらみ  「春はあけぼの」 に秘められた思い 枕草子と源氏物語と言えば日本を代表する古典文学だ。作者の清少納言と紫式部は、同じ時代を生き、共に高い知識・教養を備え、天皇の后に仕える女房(今で言う秘書官)だった。しかし紫式部が女房になった時、すでに清少納言は女房の職を辞しており、2人が宮中で顔を合わせるこ…
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『人生を変えてくれたペンギン』 トム・ミッチェル著

人生を変えてくれたペンギン   海辺で君を見つけた日 トム・ミッチェル 著  税込1620円 時折、人間には経験を溜め込む容器が備わっていると思うことがある。年を重ねるごとに、容器には経験という水が注がれ、やがて新しい出来事は受け入れづらくなる。また受け入れたとしても、これまでの経験で染まった容器内の水の色…
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『魚と日本人』 食と職の経済学  濱田武士・著

築地市場の移転問題が長引いている。そんな中、豊洲市場への移転が遅れることで、廃業する業者が増えることが懸念されるという報道がある。築地市場は水産物の取扱いで日本最大の中央卸売市場だが、そこで廃業が相次ぐのはなぜなのだろう 実は現在、日本では魚の消費が大きく減っている。人口が減るから消費が減るもの当たり前ではないかと思わ…
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『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』  阿古真理・著

私たちの主食であるコメの消費が年々、減少している。しかし、食べる量は減っても主食であることには変わりはないようで、数週間でも海外にいると、ご飯が恋しくなる。人間の舌の嗜好は簡単には変わらないようだ。 このため日本に住む西洋人には主食であるパンが欠かせない。だが彼らは日本のパン屋に並ぶ菓子パンや惣菜パンを見て、「これはパ…
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『時を刻む湖』 7万枚の地層に挑んだ科学者たち

科学の進展には観察によって長さや量、重さなどを測ることが欠かせない。そのため度量衡と呼ばれるモノを測定するためのモノサシが必要になる。この測定は過去の時間に及ぶことがある。発掘や採取された試料が存在していた年代を明らかにすることで、私たちはいつの時代に何が起こったのか、過去に何があったのかを知ることができる。 現在、発…
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『ショパン・コンクール』  青柳いづみこ・著

2020年には日本でオリンピックが開催される。4年に1度の晴れ舞台の結果は、選手生命はもとより、その後の人生も大きく左右する。そんな重要な大会の順位の決め方が不透明なら、選手はもちろん、監督、コーチといった関係者もやり切れない。 だがそんな大会が音楽の世界にはある。5年に1度、ポーランドのワルシャワで開かれる ショパン…
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『酒の科学』  アダム・ロジャース 著

私たちは一生のうちに大小様々な節目となる出来事に遭遇する。そうした場に欠かせないのがお酒だ。祝福の時や記念の日、晴れの場でお酒を飲み、悲しみの席、別離や禍根に見舞われた時にお酒をあおる。酒で人生を棒に振ることもあれば、酒が取り持つ縁で一生涯の人間関係を得ることもある。 人の一生にお酒がつきものだから、人類の歴史もお酒と…
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『学びとは何か』  今井むつみ・著

「学生時代にもっと勉強しておけば良かったなぁ」という声を耳にすることがある。今の職場では自主的、自発的、自律的、自走的な行動が必要とされ、あなたにしか出来ない仕事、他の人とは違う仕事、あなたらしい仕事が求められている。 インターネットやAI(人口知能)の発達により、検索してわかるような事をたくさん知っていることはあまり…
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『サーチ・インサイド・ユアセルフ』  チャディー・メン・タン 著

私たち一人ひとりが幸せになることで、世界に平和がもたらされる ・・・ そんな夢みたいな話を真面目に考えているのが本書の著者、チャディー・メン・タン(Chade-meng Tan) だ。 そして、この夢を実現させる方法を開発することを、勤務時間中にも関わらず認めていたのが、著者を雇用するグーグルという会社だ。開発された手…
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『トウガラシの世界史』  山本紀夫・著

私たちが普段口にする香辛料の中で世界を席巻しているのが胡椒と唐辛子だ。胡椒はコショウ科コショウ属の植物で、他に絡むという 「つる性」 があり、熱帯低地でしか生育しない。一方、唐辛子はアメリカ大陸が原産地のナス科の植物で、温帯地域でも栽培され、品種改良によりピーマンやパプリカといった野菜としても食される。両者は全く異なる植物だが、唯一…
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『フランス人とパンと朝ごはん』  酒巻洋子・著

最近は日本を訪れる観光客が増加していることが報道されるが、上位の国との開きはまだかなりある。世界で最も観光客を集めるのはフランスだ。だがフランスが気に入って何度訪れても、名所旧跡を周って、ホテルに泊まっているだけではフランス人の実生活はわからない。 そこでフランス人の生活ぶりを朝食というテーマに絞って紹介する本書はいか…
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『世阿弥の世界』  増田正造・著

日本の古典芸能は数あれど、最も敷居が高いのは能だろう。だがそんな能も源流を辿れば、私たちに身近な存在に数多く出会える。例えば、「神楽」(かぐら)もその一つだ。面をつけ、笛や太鼓に合わせて舞う姿は能と瓜二つだ。また、僧侶がお経を唱える声明(しょうみょう)と舞踏、散楽(さんがく)とよばれる一種の大道芸も能の源流とされる。 …
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『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由』  浅見 実花・著

日本社会は極めて同調圧力が高いとされる。誰もが人の目を気にして、みんなと同じように考え、振る舞うことを良しとする。そのため規律や調和が保たれる一方、一定の枠に収まらない人には生きにくい。そんな日本社会で会社勤めをしていた著者は、夫の仕事の都合で幼い双子の子供を連れてイギリスへ移住することになる。 出産や子育てをしながら…
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『信頼はなぜ裏切られるのか』  デイヴィッド・デステノ・著

私たちは日常生活において多くの判断をしており、そこには信頼が深く関わっている。家庭や職場では相手を信頼するから何かを頼むし、逆に頼まれ事を引き受ける。また、信頼を前提に約束をしたり、協力する。大きな買い物や結婚、転職といった人生を左右するようなイベントでは、相手となる会社やパートナーの信頼度によって決断するか否かを判断する。信頼は意…
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『イヴァナ・チャバックの演技術』  イヴァナ・チャバック 著

「俳優」 という漢字は 「人に非ずに優った」 と書く。スクリーンやステージで自分とは違う別の人間になれる点で優っている人たちだ。そんな俳優たちを本場ハリウッドで指導するアクティングコーチ(演技指導者)の第一人者が本書の著者、イヴァナ・チャバックだ。彼女の教室の扉を叩いたのは、ハル・ベリー、ブラッド・ピット、ビヨンセ、メグ・ライアン、…
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『騙されてたまるか』  清水 潔・著

産業界では大量生産、大量消費はすっかり影を潜めたが、それが今も活発に続いている業界がある。ニュースや報道、メディアでは、インターネットの普及もあって、日々、大量のニュースや情報が作られ、消費されている。どんな大事件、重要事件でも数週間も経てば、次の新しいニュースによって忘れ去られてしまう。 こうしたニュースの大半は 発…
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『巨大化する現代アートビジネス』  ダニエル・グラネ&カトリーヌ・ラムール 著

芸術の秋には全国各地で美術展や展覧会が開かれる。日本で人気のある催しと言えば、ルノワールやモネといった印象派の絵画を集めたものだ。一方、世界に目を転じると、今、最も熱い視線が注がれているのは現代アートだ。 現代アートとは1960年代から現在に至るまでの絵画や彫刻、インスタレーション(空間芸術)といった作品を指す。代表的…
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『検事よもやま話』   廣瀬 哲彦・著

人間の本性は極限状態になって初めてその姿を見せる。人生を長く生きると、誰しもそんな事例に1度や2度は遭遇するはずだ。 そうした極限状態の人に、日々、向かい合い、彼らの人の人生を左右するような重要な判断を下すのが検事だ。警察に逮捕され、送検されてきた人は罪を逃れようと必死になる。それは刑事訴訟法が第248条で起訴便宜主義…
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『マスタリー』  ロバート・グリーン 著

NHKが プロフェショナル仕事の流儀 という番組を放送している。各界のプロを取り上げ、彼らの日常の仕事ぶりをドキュメントで紹介する。登場するのはいずれも腕に覚えのある人たちで、会社や組織に縛られることがない。成果に手応えが得られ、定年も気にする必要がない。今後は健康であれば70歳~75歳まで働くことになる時代に、彼らの姿は先駆的と言…
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『小林カツ代と栗原はるみ』  阿古真理・著

夫が定年退職すると、ノイローゼになる妻がいる。その主な原因は食事の支度にある。夫が会社勤めをしていると、朝は簡単に済ませ、昼は作らず、夜も残業だ、接待だ、出張だ、といって家で食事をしないことも多い。それが定年退職すると、日に3回、必ず献立を考えなければならなくなる。これでは、妻はウンザリして、ノイローゼになるのも無理はない。 …
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『進化の謎を数学で解く』  アンドレアス・ワグナー 著

カエルの子はカエルという諺があるが、一方で、トンビが鷹を生むという諺もある。現代の私たちは、子供がカエルになるか鷹になるかには、遺伝子が関わっていることを知っている。だが、遺伝子の存在がまだ知られていなかった時代に、生物の多様性に注目したのがダーウィンだ。 ダーウィンは 『種の起源』 において、種は自然淘汰により進化す…
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『美貌格差』  ダニエル・ハマーメッシュ 著

あなたはこれまで一度や二度は 「人間は見た目よりも中身が肝心だ」 と言われたことがあるはずだ。これは事実で、もしあなたが部下のいる立場なら、仕事ができないイケメン部下より、見た目はイマイチでも、きちんと仕事をこなしてくれる部下の方がありがたい。 では、仕事の出来が同じレベルの二人いて、そのどちらかの受け入れを人事部から…
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