長時間通勤はご用心


人事異動によって大都市から地方都市へ転勤になると生活が様変わりする。その際たるものの一つが朝夕の通勤だろう。大都市では電車やバスといった公共交通機関による通勤だったのが、地方都市ではクルマやバイクや自転車になる



通勤地獄 から解放されると同時に通勤時間も短縮される。現在、日本の往復の通勤時間 (往復) の平均は1時間17分で、東京圏が1時間37分、大阪圏は1時間28分となり、この2大都市圏が平均値を上回っている (NHK放送文化研究所2010年調査



イギリスの エコノミスト誌の調査 によると最も通勤時間が長い国は、1位が中国の片道・42分、2位がインドで39分、以下、ベルギー(37分)、ドイツ(33分)、メキシコ(31分)と続く。この調査対象に日本は入っていないが、もし入っていればエコノミスト誌の調査は片道だから、日本の東京や大阪の通勤時間は世界一ということになる




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  エコノミスト誌より




最近では長時間の通勤は心身に悪い影響を与えることが明らかになっている。ギャラップ・ヘルスウェイズの調査では通勤時間が片道90分を超える人の40%は前日に不安を感じたと回答し、さらに3分の1の人は慢性的な首や背中に痛みを感じている。ハーバート大学のパットナム教授によれば通勤時間が10分長くなるにつれ社会との接触が10%減るという



またカリフォルニア大学などの調査では、労働時間が長くても通勤時間が短い人は、労働時間が短く通勤時間が長い人よりも生活習慣が健康的であることが明らかになった。チューリッヒ大学の調査では、通勤時間が1時間長くなるにつれ給料は40%増えないと割に合わないという



長い通勤と満員電車は 疲労 を蓄積させる。関西福祉大学の倉垣弘彦教授らは、ある企業の従業員300人を対象に 「疲労検診」 を行った。その結果、全く疲れていないと回答したのは40%で、ちょっと疲れているが45%、疲れているは15%だった



しかし、全く疲れていないと答えた人の10%強の人たちには自律神経の変調が観察され、倉垣教授によれば 「隠れ疲労」 の状態にあるという。体力的に余裕のある20代なら問題がなくても、年齢を重ねるごとに健康を害するリスクが顕在化する



こうした、疲労感なき疲労を早期に発見する手法の開発が進んでいる。東京慈恵会医科大学の近藤一博教授は唾液から ヒトヘルペスウイルス 6 と 7 を計測する検査装置の開発を進めている。ヒトヘルペスウイルス は日本人の成人のほぼ全員が感染しており、疲労が蓄積すると活動が活発になる



ヒトヘルペスウイルス6 は短期的・一時的な疲労の度合いがわかり、ヒトヘルペスウイルス7 は長期間の疲労の程度がわかる。装置の開発は実用化が目前に迫っている。そのうち、スマートフォンを使って疲労を計測することができるようになるかもしれない







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