日本の菊がピンチ

「暑さ寒さも彼岸まで」 - 例年残暑はお彼岸まで続き

ますが、今年は何やら天気は荒れ模様。それでも季節は

確実に秋に向かっています



秋は春と並んで日本人の好きな季節の一つです。季節が

似ているせいか、万葉の時代、貴族たちは「春秋の争い」

と言って、春と秋、どちらが優れているかの優劣論争をして

楽しんでいました。春は桜、秋は菊、ともに日本の国の花

とされており、ここにも「春秋の争い」 があります



               ☆



9月9日に行われるのが「重陽の節句」。中国では奇数を

陽の数、吉数として扱い、最も大きな奇数が重なる9月9

日をおめでたい日、長寿を祝う日としています。ここでも菊

の花が使われます



菊の黄色は皇帝の色であり、高貴な色とされました。また、

菊の葉からこぼれた露を飲んで若いまま800年も生きた

「菊慈童」 という仙人の伝説もあるように、不老長寿の薬と

しても扱われました



重陽の節句の習慣は大化の改新のころ、日本に持ち込ま

れます。貴族たちは自慢の菊を持ち寄り、優劣を競い、歌

を詠む、「菊合わせ」 という遊びを楽しみました



江戸時代に入ると菊は品種改良によってさまざまな種類が

誕生します。特に元禄時代になると、庶民の間にも菊を競

い合う花競べが流行します。新しい菊は評判をよび、高値

で売買されるようになり、一攫千金を狙った人たちによって

菊の品種の改良は一気に進みます。そして今日までその

流れは続いています



毎年20~30品種の菊が市場に出され、現在、菊の品種

は6000種を超えると言われています。これほどたくさんの

新しい品種が出される理由は、市場で新しい菊が求められ

ているからです










例えば最近では、消費者の間で「スプレー菊」 という1本の

茎に多数の花が咲く菊の人気が高まっています。農家の側

からは栽培期間を短縮できる菊や、葉の横から生えてくる脇

芽を摘む必要がない菊が求められています



菊の品種改良を手がける会社は世界的に淘汰が進み、日

本には1社しかなかったのですが、その会社も最近になっ

て経営が傾きました。あとはオランダに4社、アメリカとイギ

リスにそれぞれ1社ずつと寡占化が進んでいます。このた

め、開発競争は資金や利益がものをいう体力勝負の様相を

帯びています



菊の輸入量も10年前に比べ約4倍、8000トンに達してい

ます。外国産の菊は大規模生産で、コスト競争力がありま

す。日本で品種改良をする会社がなくなれば、やがて市場

の菊はすべて外国産となってしまうかもしれません
 
 
 
 
 

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