部下の個性を理解するには その①
十人十色で、社員や部下を簡単に理解することはでき
ませんが、何か効果的な手法を活用することで人的資
産の有効活用を図れないか、と考える経営者・管理職・
総務人事担当者は多いのではないでしょうか
自分を客観的に把握して、その上で、上司や部下といっ
た他者理解が進めば、良質なコミュニケーションの確保
とその円滑化、チーム力やモチベーションのアップ、適
正配置の実現や、メンタルヘルス対策、人材流出防止
などにも効果が期待できるでしょう
人を特徴づける用語はいくつかあります。
まず「性格」 とはキャラクターのことで、生まれながらの
持続的で一貫した行動様式を示すものとされます。
「人格」 はパーソナリティのことで、ラテン語のペルソナ
(仮面)が由来です。仮面のように演じる役柄、役割を
指しています。生育の過程で備わっていくものであり、
社会的に形成されたものといえます
性格や人格に強い影響を与えているのが「気質」 で、
恐怖や怒り、好き嫌いといった人類に大昔から備わって
いる情動反応のことです。昨今話題の「EQ」 は、この
情動気質を理解する知性のことです。
最近これらは区分されることなく使用されているので、
ここでも「性格」 という用語で統一することにします
さて、性格を理解する手法には、類型説と特性説があり
ます。性格をあらかじめ用意したいくつかの類型に分類
するのが類型説です
ユングは心的エネルギーの方向性から、類型を内向型と
外向型に分類し、それぞれに「思考・感情」、「感覚・直
観」という4つの心理機能をあげました。そして、これらの
組み合わせで行動が決定されるとしました。これを応用
したのが、「MBTI」 という手法です
また、シュプランガーは人生の価値観に重点を定め、理
論型、経済型、芸術型、権力型、宗教型、社会型の類型
を提示しました
類型説は利用が簡便である反面、個人を一定の枠には
めてしまう、特徴的な面だけで分類される、という短所が
あります
これに対し、性格を「個人を特徴づける持続的で一貫し
た行動様式の集積」 として捉えるのが「特性説」 です。
具体的な行動を記述した質問に回答することで、定めら
れた評価項目を測定します
回答と評価項目の間の関係は統計的手法によって因果
関係が分析され、結果の信頼性と妥当性を高めています
行動の集積をさらに集約すると、性格を説明できる基本
モデルにたどり着く、という特性理論があります。この代
表が「ビッグ・ファイブ」とよばれる5因子モデルで、調査
研究により有効性が確認されています
その5つの因子とは、①基本的次元として神経症傾向
②外向性 ③開放性 ④調和性 ⑤誠実性です。そして、
それぞれに、6つの下位次元を持っています。この5因子
と5つの職業の職務成績の関係が調べられました。選ば
れた職業は「知的専門職」 「警察官」 「管理職」 「販売営
業者」 「半熟練・熟練労働者」 です
その結果、「誠実性」 (下位次元は能力・技術、秩序、
良心性、達成追求、自己鍛錬、慎重さの6つ)が全ての
職業の成績と強い関連があることが明らかになりました。
その他4つの要因は、職業ごとに関連性の強弱が見られ
ました
☆
性格は遺伝、家庭環境、生育環境、文化・社会的影響
を受け、日々変わりつつあります。その一方、情動につ
いては、本質的な変化は少ないとされています。摩訶不
思議な人間の力を活かすも殺すもマネジメント次第とい
えそうです
次回は具体的なツールを使って、マネジメントへの応用を
考えてみます
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