味の素社長が語る管理職の希望退職募集の事情


味の素は、昨年(2019年)に50歳以上の管理職の1割にあたる100人の希望退職を募集すると明らかにしました。その狙いや意味するところについて、西井孝明 社長が日経ビジネスの取材に答えています(2020年3月30日号)


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味の素社長 西井孝明氏


業績が厳しいわけではないのになぜこの時期に希望退職者を募集するのかと問われ、次のような趣旨の答えをしています。

味の素は色々な観点で構造改革をしなければいけなくなり、マネジメントでは、なくなる仕事が出てくる。その事をちゃんと社員にメッセージとして伝えたかった。

味の素の目指す構造改革とは、デジタルの活用や海外事業の深堀り、健康を軸とした価値創造であり、低成長・低収益ジビネスからの撤退や縮小、管理部門の効率化です。

この結果、管理職が得意とする分野と、会社がこれから伸ばしていこうとする分野が合致しなくなっている。今の味の素の50歳以上の管理職は国内の多角化を進めていた頃の入社で、日本でのビジネスに向いている人が多い。

会社は構造改革によって再成長を目指すプランがあり、それを進めていく中で、こういう仕事がなくなるという実態を社員にメッセージとして伝え、自分たちのキャリアをどうするかを考えてもらう機会にしようということにした。

味の素では「セカンド・キャリア研修」を行っており、国家資格を持つ外部のキャリアコンサルタントに相談ができ、一定年齢に達すると在籍したまま再就職活動ができる制度になっている。これまで年間に30人ぐらいが転職しているのを、今回100人に増やした。



味の素社長のインタビューから見えてくるのは、会社を取り巻く環境変化のスピードが年々、早まる一方で、労働者が働く期間は高齢化によりますます長くなるという現実です。

会社は今後、中期・短期的な視点から経営計画の実現に必要な人材を求める傾向が強まり、賃金・給与体系も「時価精算」の色合いが強くなりそうです。これまでのように若手の時は成果より低い給料に甘んじ、中高年になるとパフォーマンスに比して年収が高いという仕組みが成り立たなくなります。

一方、働く人は寿命が延びて年金は減っていくため、嫌でも長期に渡り働くことを余儀なくされますが、時価精算の色合いの濃い制度の中では長期雇用が難しくなります。この傾向は特に人材の募集に不自由しない大企業ほど強くなると思われます。

かつて大企業に就職できれば、バラ色の将来が約束されていましたが、これからは大企業ほど、採用後の生き残り競争は過酷なものになりそうです。






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