仕事における生活習慣病とは


経営コンサルタントの元祖とも言えるのが 一倉定 氏です。経営者だけを相手にコンサルティングをされていたことから、「社長のコンサルタント」とも称されていました。会社で起きることのすべての責任は社長にあり、例えて言えば、電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である、と語られていました。

その一倉定氏は「経営は逆算」であると説かれています。最初に売上の目標を決めるのではなく、まず利益目標を決め、そこから必要な売上を逆算せよという訳です。

これは仕事にも当てはまります。仕事のゴールや目標を明確にして、それをいつまでに、どうやって成し遂げるのかを逆算することで、それぞれの時期に何をすべきが明らかになってきます。例えば、今年の目標を決めれば、それを達成するために今月何をすべきかが明らかになり、今月すべきことがわかれば、今週何をすべきがが見えてきます。

しかし計画や目標を立て、それに向かって仕事を進めることが習慣になっていない人や会社というのは数多くあります。こうした人や会社では、とりあえず目先の仕事を、取り組みやすいこところから手を付け、途中での進み具合(進捗状況)をチェックすることもありません。その結果、期限が来たのに間に合わないといった事態が何度も繰り返され、その度に犯人捜しや責任のなすり合いが始まります。

逆算で仕事に当たっている人や会社から見ると、まるで設計図もないまま、モノを作り始めるように映り、『そんなやり方でいいの?』と思ってしまいますが、当の経営者や本人はそうしたやり方しか知らず、それが当たり前だと思っていて疑うことすらありません。仕事における生活習慣病とも言えます。


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一方、逆算で仕事を進めることが身についていても、実際には上手くいかないこともあります。その原因の一つは、社内で情報が共有されていないことです。「隣の人は何する人ぞ」という状態のため、部署間での仕事の進み具合の情報が共有されず、重複というムダが生じたり、待ち時間というロスが発生します。

また仕事を進める上でのノウハウが個人の秘蔵物になり、共有されていないことが原因になっているケースもあります。個人ごとに売上目標の達成が強く求められる会社などでは、このような事態がよく起こります。そこには自分のノウハウを公開し、共有されてしまうと自分の存在価値が薄れてしまうという危機意識があります。

あるいは仕事のできない上位階層の社員が、立場上得た情報を自分の保身のために共有しないこともあります。こうした社員は自分が得た情報によって自らの立場を確かなものにしようとします。

もっとも、こうした話は一定レベル以上の会社や人にあてはまる話であり、実際にはこのレベルに達しない事例の方が多数を占めます。

そうした会社では時間の使い方と利益との関係を社員教育で教えていないため、より少ない時間で、より大きい利益を生むという 労働生産性 の重要性が社員に理解されていません。情報が共有されないとか、ノウハウを個人で囲い込んでしまうのは社員への教育不足による理解不足が原因です。

仕事の大半はルーティンワーク(定型業務)であり、これは誰がやっても同じ結果であり、同じ価値しか生みません。こうした仕事は「〇〇さんでないとできない」といった仕事の属人化をなくすようにして、誰でもできるようする必要があります。

そう遠くない将来、ルーティンワークの多くはAI(人工知能)やRPA(Robotic Process Automation)によって担われるため、それに備えて布石を打つことにもなります。

ルーティンワークではない仕事が、同じ時間からより多くの利益を生む生産性が高い仕事=付加価値の高い仕事になります。この仕事に割り振る時間を増やしていくことが、逆算に基づく経営戦略・人事戦略の打ち手になるのではないでしょうか







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