人を育てられない上司の処方箋


パワハラ上司は法律である程度、規制ができますが、取り締まれないのが部下を育てない、あるいは育てられない上司です。

部下の育成を放棄する上司にはいくつかのタイプがあります。


部下の育成に興味がない上司


このタイプは、部下は上司の背中を見て、自分で成長すべきだという考えです。

こうした人は、往々にして自分も上司に育てられた経験がないという方が多いようです。職人と呼ばれる職業や、手に職をつけるといった仕事では、こうした上司・親方は珍しくありません。人と話すのが苦手で面倒くさいと感じるのもこのタイプの人の特徴です。


部下を育てる意味が理解できない上司


こうした方に社員教育の重要性を話すと、「会社は仕事をするところで、学校じゃない」といった答えが返ってきたりします。

あるいは「人材育成が大切」というフレーズは本を読んだりセミナーで聞いて、知識としては知っています。しかし人を育てることは、会社にとってどんな意味があるのかが理解できずにいます。

社員を教育する目的は、会社の方針を理解させ、経営者が決めたことを実行させ、業績向上に繋げるためです。「学校じゃない」というのはその通りですが、その発言の裏からは、社員教育と学校教育の区別がついていないとも言えます。


プレーヤーとして一流の上司


プレーヤーとして一流で、その功績により管理職になったという方の中には、部下の育成はさっぱりできないという人もいます。

このタイプの上司は、プレーヤーとして実力があるため、部下にさせるより自分がやった方が早いと判断し、何でも自分でやってしまいます。あるいは、やたらと細かい指示を出すという「マイクロマネジメント」をしています。その結果、部下は自分で考える必要がなくなり、人が育ちません。


保身に走る上司


部下の昇進・昇格を恐れて成長を妨害しようとする上司もいます。仕事のできる部下にわざと成長のための機会を与えず、成長の芽を摘んでしまいます。自分のセクションの成果を犠牲にしても、自分の地位を守ろうとします。こうなると隠れパワハラと紙一重な上、経営にとってもマイナスです。


こうした上司もある日、突然、経営者が交代する、会社が吸収合併され降格の憂き目にあう、プロジェクトで出向を命じられ、他社の管理職の人材育成の手法を実体験するといった衝撃的な出来事を境に、人材育成の必要性を痛感したり、人材育成の意味を悟ったりすることがあります。

そんなきっかけがなくても、人を育てたいと思ったその日からできる方法があります。それは部下の話を聴くことです。


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「部下の話なら、いつも聞いてるぞ!」と思っている人ほど、実は話を聴いていません。たとえば部下が報告を始め、なかなか要点を話さないと、途中で我慢できなくなり、「結論は何?」「何が言いたいの?」といったように、部下の話を遮ってしまいます。

また部下の話を聞きながら自分の返答を考え、それがまとまれば、「それなら〇〇すればいい」とか、「〇〇に話をつけてみれば」といったように話の結論をつけてしまい、部下が自分で考える時間や機会を与えようとしません。

部下が報告しようとすると、「今じゃないとダメな話か?」とか、書類やメールを読みながら、「ああ」「うん」「なるほど」と生返事をしているだけというケースもあります。

これでは、部下の話を聴いているとは言えません。



話を聴けば人が育つ仕組みとは


では、部下の話に真剣に耳を傾けると、どうして育成に繋がるのでしょう。科学的に証明されているかどうかは定かではありませんが、人間は誰かに話しを聞いてもらうと嬉しくなる生き物です。

それは夜のクラブに経営者がたくさんいることからもわかります。経営者がクラブへ足を運ぶのは女性が目当てではありません(もちろん例外はありますが・・・)。相手を務めるホステスさんがちゃんと自分の話を聴いてくれるからです。

話を聞いてもらうと、気分がよくなり、お酒も進み、後で請求書をみて後悔するのですが、なかなかクラブ通いは止められません。奥さんにすれば、家で飲めば安上がりなのにと不思議に思いますが、奥さんは自分の話をするのに忙しく、経営者である旦那さんの話に耳を貸してくれません。

これと同じで、部下も自分の話に対し上司が真剣に向き合い、「そこをもっと詳しく話して」とか、「なぜ、そう思った?」「本当はどうしたい?」といったような質問をされ、話を聞いてもらえると嬉しくなり、もっと話すようになります。

すると自然に起こった出来事を振り返り、考え方を整理することができます。どうしていいかわからなかったことが話をしているうちに、解決策が見えてきて、それが自分に対する自信につながります。

逆に上司が話を聴いてくれないと、何となくおもしろくないし、成長実感が得られないから自信がつかず、積極的な提案や行動が見られない状態になります。その結果、言われたことだけやっておこうという受け身の姿勢で仕事を続けることになってしまいます。


経営の神様と言われた松下幸之助さんの所には、たくさんの人が相談にやってきました。ところが相談相手が話を始めると、松下さんは、逆にあれこれと質問を始めるのが常でした。

相手が答えると、また別の質問が来て、相談者は答えるのに忙しく、あっという間に時間が来てしまうということがよくあったそうです。

ところが帰る段になると、相談に来た人は「今日はいろいろ教えてもらってよかったです」と嬉しそうにしています。最初に相談しようと思っていたことは聞けなかったはずですが、話を聴いてもらっているうちに、気づきが得られ、答えが見えてきたからです。

人を育てたいなら、ガマンをして、じっくりに部下の話を聴くことから始めてみては如何でしょう。










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