専門職制度を本来の姿にするために


国際的な競争が激しくなる中で日本企業の競争力に翳りが生じている。原因はさまざま考えられるが、人事制度もその一つだろう。日本企業の人事制度の弱点は処遇面に重点が置かれ、活用面で十分機能していないことだ



例えば人事制度の中心となる職能資格制度は職務遂行能力(=職能)によって社員を格付けし、公正・公平な 「処遇」 を図るものだ。また、目標管理制度でも成果によって 「処遇」 にメリハリをつけることを狙いにしている。一方、人材の活用面での人事異動や配置転換になると、経営者や人事部長の直感、情実、順送り・玉突きで決まってしまうことが珍しくない。専門職制度 も活用面で機能していない人事制度の一つだ



専門職制度は本来、プロにふさわしい活躍の場を用意し、企業の競争力を強化することを目的に、70年代~80年代半ばにかけて導入され始めた。だが、本当の狙いはポスト不足対策だった。当時の日本経済はオイルショックや円高により高度経済成長が終わり、企業は減量経営を余儀なくされた。組織は拡大のペースがダウンし、上位階層のポスト不足が顕著になってきた。これを解消するため、昇進の目標を多様化し、役職に就けない社員のモチベーションを維持する方策の一つとして専門職制度が利用された



そのため、専門職制度は本来の目的とは違った姿になっていく。ライン管理職との役割分担がはっきりしないため補佐的な役割になったり、専門家にふさわしくない人が就いているため、昇進コースから外れたポジションというイメージが社内に蔓延した。また、専門性を高める仕組みが整っていないため、専門職の社員のモチベーションが低下する事態となった



だが、最近では経営のグローバル化や技術革新、労働の知識化により、職務の専門化や高度化が進行している。そのためライン部門においても専門知識が要求され、社員のキャリア選好においても、ライン管理職を目指すゼネラリスト志向から、専門分野に特化するスペシャリスト志向が高まっている。このため専門職制度の見直しが迫られている




画像






専門職制度を再構築するための要件は、ある程度の人数がいる場合は、専門職をタイプ別に分けて、それぞれの役割を明確にすることだ。専門職は企業によってさまざまな職種に分かれる。社外でも通じる汎用性のある資格や専門知識を有する専門職もあれば、社内向けの専門スキルを有している専門職もある。専門分野が特定の領域に特化している場合と、隣接する複数の領域に渡っている場合がある。一人単独で職務を遂行する専門職もいれば、部下を率いて組織で仕事を進めるためマネジメント能力が求められる専門職もある



このように一口に専門職といっても様々なタイプがあるため、専門職を一括りにせず区分けして扱うようにする。そのため会社によっては全社員共通の職能資格制度を見直し、専門職独自の資格制度・等級基準を設ける必要があるかもしれない



専門職の専門性を格付けするような規定は、専門分野の知識に乏しい人事部や外部のコンサルタントには出来ない。また、専門分野の知識は陳腐化が早く、企業が求める専門性も絶えず変化するため、頻繁に制度や評価の見直しが必要になる。このため専門職の格付けは専門職が属する部門の責任者が担うことが理にかなっている



専門職のタイプに応じて専門知識やスキルを評価して格付けすることで、専門職の役割が明確になり、地位の向上が図られ、社内評価を高めることにつながる。それにより専門家の社内育成や人材確保が可能になり、社員のキャリア選好においても専門職志向が明確になる





次回は 専門職を格付けする仕組み について

ブログ・トップページ : http://justeye.at.webry.info/





ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック