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zoom RSS 『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由』  浅見 実花・著

<<   作成日時 : 2016/03/10 06:13   >>

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日本社会は極めて同調圧力が高いとされる。誰もが人の目を気にして、みんなと同じように考え、振る舞うことを良しとする。そのため規律や調和が保たれる一方、一定の枠に収まらない人には生きにくい。そんな日本社会で会社勤めをしていた著者は、夫の仕事の都合で幼い双子の子供を連れてイギリスへ移住することになる。



出産や子育てをしながら体験するイギリス社会は、考え方や価値観、文化的背景、経済状況、ライフスタイルが一人ひとりあまりにも違っていた。そんな中で、数々の不思議な出来事を目撃する。街中で見かけるたくさんの赤ん坊とベビーカー、離乳食作りに苦労しない親、保育費が高くても復職する母親、在宅勤務をする両親、こうした不思議な光景を目にするにつれ、著者は一つの思いに至る。



それは一人の人間として生きていくために根本的に転換しなければならない認識、世の中の捉え方があるのではないかということだった。そこから著者は情報を集め、知人や学校の先生に話を聞き、自ら実体験してみることで数々の疑問に対する手がかりを得てゆく。こうしてまとめられたのが本書で、子育てや教育の観点からイギリス社会を探索している。



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子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由




イギリスという国の基本原理は、誰もが公平に扱われ、あらゆる人が不公平な差別から自由である社会だ。これを実現するための法律が 「平等法2010」 で、年齢、性別、障害、性転換、婚姻、同性婚、妊娠、出産、育児、人種、宗教、信条、性的指向などによる差別が禁止される。法律が遵守され公平さ(フェア)が確保される一方、法律の枠内ではお互いの違いが許容される。本書ではそうした事例として、小学校の教育と柔軟な働き方が詳しく紹介されている。



双子の子供たちが通う小学校では、生徒は一人ひとりが特別な存在であり、一人ひとりが違っていて、それぞれのペースで成長するといった信念の下、子供たちの学習レベルに応じた個別指導やグループ指導が行われる。そして親たちが柔軟な働き方ができるのは、同じ会社で26週以上働いた人は誰でも柔軟な働き方を求める権利が与えられるからだ。これによりパートタイム、フレックスタイム、在宅勤務、圧縮時間勤務、年間時間勤務、ジョブシェアリング、段階的引退といった多様な働き方が可能になる。母親たちが復職する際の子供の預け先も、保育所や家族に加え、ナニー、チャイルドマインダー、オペア、ベビーシッターなど数多くの保育サービスがあり、価格もピンからキリまである。



一人ひとりが違う存在である人間同士を結び付け、一つの共同体を維持していく上で欠かせないのがコミュニケーションだ。イギリスでは幼いうちから、自分の考えや状況、相手に対する要望を言葉で 「理にかなう」 (make sense) ように表現することが教えられる。「理にかなう」 とは、筋道が通ることであり、自分の意見や要望を伝えるときには理にかなっているか、話の筋道が通っているかに重きが置かれる。



多様な人間で構成される社会で公平さ・フェアを確立するためには、数多くの選択肢を用意しなければならず、結果として社会コストは高くつく。そのためイギリスでは日本のように至れり尽くせりの施策やきめ細かいサービスは期待できないことも多い。また、多彩な選択肢は選択のために要する時間や手間といったコストや結果についての責任も個人が負うことになる。



多様な価値観を持つ人間が集まり、多様なものの見方や生き方を許容するイギリス社会は、革新的な 「知」 をもたらすレベルの創造性を育む力が備わっている。それは人間が学ぶ時の根源的な力であり、好奇心や探求心とも言え、自ら考え、自らが実行する力でもある。現在のイギリスには人間のこうした力を活かした 「創造産業」 が開花している。子供たちにこの力を養わせるにはイギリスでの子育てが適しているようだ。



「子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由」
浅見 実花・著 祥伝社・刊 税別1400円







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