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現代語訳の徒然草 第30段は「人のなきあとばかり 悲しきはなし」。身近な人が亡くなると悲しいものですが、 それ以外の悲しみもあるようです ◇ 人のなきあとばかり悲しきはなし ------------------------------- 人の亡くなった後ほど悲しいことはない 中陰(ちゅういん)のほど 山里などに 移ろいて -------------------------------------- 四十九日の間、山里などに移って 便(びん)あしく 狭き所に あまた会い居て ------------------------------------- 不便で、狭いところに、多くの人と一緒になって 後のわざども 営みあえる 心あわたたし --------------------------------- 法要などを営みあうのは、気ぜわしい 日数(ひかず)の早く過ぐるほどぞ ものにも似ぬ ------------------------------------------- 日にちの早く過ぎる具合は、なにか物に似ることもない 果ての日は いと情のう 互いに言う事もなく ----------------------------------------------------- 四十九日目の終わる日は、まったく情けもなく、互いにものも言わず 我かしこげに 物ひきしたため ------------------------------------ 我こそ分別があるかのごとく、物を取りまとめ ちりぢりに 行きあかれぬ --------------------- 散々に、分れ去っていく もとの住みかに帰りてぞ 更に悲しき事は多かるべき -------------------------------------------- もとの住みかに帰ってからが、更に悲しきことが多いもの 「しかしかのことは あなかしこ あとのため忌むなる事ぞ」など 言えるこそ ----------------------------------------------------------- 「これこれのことは、慎みなさい、残された人のため避ける事ですよ」など、 言っているのは かばかりのなかに 何かはと 人の心はなお うたておぼゆれ ----------------------------------------------------------- これほどの悲しみの最中に、なんということだと、人の心は情けなく思われる 後半に続く お通夜や葬式に参列すると、しばらくの間は亡き人を思 い出し、あれやこれやと話をするものですが、亡くなった 人と最もたくさんの思い出がある人は、悲しみに打ち ひしがれて、話の輪に入ることがありません そのため、やがて亡き人の話題は尽きて、今度は集ま った親類縁者、友人、仲間、隣近所の人たちが、自分 たちのことを話し合い、場が盛り上がります。そして酒が 入ると、こうした集まりには必ず仲の悪い人同士がいて、 険悪な雰囲気になったりします こうして、いつしか亡くなった人や遺族のことなどお構い なしとなります。兼好法師が情けないと嘆くそんな人の 心もまた悲しいものです |
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