人事コンサルタントの徒然草子

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help リーダーに追加 RSS 枕草子 「職の御曹司の立蔀のもとにて」  第1話

<<   作成日時 : 2008/03/21 15:58   >>

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現代語訳でお届けする枕草子、第57段は「職の御曹司の

立蔀のもとにて」です。この段に登場する藤原行成は一条

天皇に仕える四納言の一人です。書の達人として知られ、

その書は後世まで影響を与えたとされています。



清少納言は一条天皇の妃の中宮・定子(ていし)に仕えて

いました。そのため行成と親しい間柄だったようです。

この段はそんな二人の関係がエピソードを交えて描かれて

います。行成は、この後も「逢坂の関」の段で再び登場します



この段のころは、行成が25〜26歳、清少納言は32〜33

歳といわれています。とても長い段なので、数回に分けて

掲載することにします



                    ◇



職(しき)の御曹司(みぞうし)の 立蔀(たてじとみ)のもとにて
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中宮関係の事務を司る役所の部局・御曹司の、仕切り塀のあたりで



頭弁(とうのべん)の 人と物を いと久しく 言い立ちたまえれば
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蔵人の長の弁官(※)が、女性と長い間、立ち話をされているので

 ※ 弁官は太政官に属する部局のひとつ。
    中央と地方を結び行政機構の運営を担った。
    この人物が物語の中心人物・藤原行成です



さし出(い)でて 「それは誰ぞ」 と言えば
-------------------------------------------------
その場へ出向いて、「そこにいるのはどなたですか」 と尋ねれば



「弁侍(さぶら)うなり」 と のたまう
------------------------------------
「弁官がお伺いしているのです」 と、おっしゃる



「何かは さも語らいたまう
----------------------------------------
「どうして、そんなに親しそうにお話なさるのですか



大弁見えば うち捨て たてまつりて いなむものを」 と言えば
------------------------------------------------
あなたの上司の大弁(※)の姿が見えれば、その女性は、

  あなたを打ち捨てて、立ち去ってしまうのものを」 と言うと

 ※弁官の上位の職。行成の上司にあたる



いみじく笑いて 「誰か かかる事をさえ 言い聞かせけむ
----------------------------------------------------------
たいそう笑われて、「誰がそのような事を、あなたに言い聞かせたのですか



『それさ なせそ』と 語らうなり」と のたまう
----------------------------------------------------------
『立ち去るなど、しないで』と、この方と話をしていたところです」 と、おっしゃる









いみじく見えて おかしき筋など立てたる事はなくて
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行成さまは、たいそう立派に見えて、風情のある面を見せつける事はなく



ただありなるようなるを 皆人(みなひと)は さのみ知りたるに
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ありのままでおられるのを、他の人はみんな、そのことを知っているが



なお奥深き御心ざまを 見知りたれば
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私はなお深いお心を、知っているので



「おしなべたらず」 など 御前(おまえ)にも啓し
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「世間一般のお方ではございません」 など、中宮さまにも申し上げ



また さ知ろしめしたるを
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また、中宮さまもそのことをご存知でおられた



常に 「『女はおのれを喜ぶ者のために顔づくりす
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行成さまはいつも、「『女は自分を愛する者のために化粧をする



士(し)はおのれを知る者のために死しぬ』(※)と 言いたる」 と
--------------------------------------------------
男は自分を理解する者のために死ぬ』と、言っている」 と

 ※史記の刺客列伝からの引用



言い合わせつつ 申したまう
----------------------------------------
私との間柄を、私と中宮さまとの関係になぞらえて、

  中宮さまに申し上げるのでした
 
 
 
                               (第2話へ続く)
 
 
 


 
 

 
藤原行成が一人の女性と話しているところへ、清少納言が

やって来ることから物語が始まります。

彼女は行成という人物をよく知っているので、「世間で言わ

れる程度の人物ではありません」と中宮・定子に申し上げ

ています。



行成は、史記からの一節を引用しながら、自分と清少納言

との間柄を、中宮と清少納言と関係になぞらえ、また相手も

それが理解できるなど、当時の宮中における人たちの教養

の高さが垣間見えます。



この後も、行成と清少納言との間では、古典を引用した会話

が交わされます
 
 
 

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