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help リーダーに追加 RSS 「暴走老人」  藤原 智美・著

<<   作成日時 : 2008/03/14 11:26   >>

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あたりに騒音を撒き散らす「騒音オバサン」、自宅にゴ

ミを溜め込む「ゴミ屋敷」の住人、いずれもテレビや新

聞ですっかりお馴染みです。こうした張本人はいずれ

も、なぜかお年寄りです



またホテルや病院、百貨店、役所で、文句をつけて、

怒鳴っているのもたいていはその筋の人か、お年寄り

です。統計によると、65歳以上の刑法犯は人口増を

はるかに上回る勢いで増加しています



著者はこうした周囲との摩擦を起こすお年寄りを「新

老人」 と名づけ、なぜ新老人は問題を起こすのか、

そんな疑問に対し、時間、空間、感情の3つの切り口

から解明を試みています



その@ 時間

現在の私たちの暮らしは、「待つ」 ことが極端に減っ

ています。携帯のおかげで、相手を待たせることはな

くなり、交通機関は分単位の正確さで運行され、宅配

便は時間指定でやってきます。

こうなると「待つ」 ことは「待たされる」 に変わり、これ

には老若男女を問わず耐えられなくなりました



日本は時間を効率的に使うことで生産性を高め、規則

・規律を重視して、経済成長を遂げてきました。小学校

では帯グラフを作って、予定を書き込み、効率的に時

間を使うことが教えられました



そして仕事をしていると帯グラフは仕事で埋まり、この

拘束感は苦痛でした。現役を引退した新老人にとって

待たされることは帯グラフ時代の拘束感を思い出させ、

時間的侵略、時間的暴力となり、これが原因で暴走し

てしまう、と著者は書いています









そのA 空間

戦後の経済成長は核家族を生み、家族は個室で暮ら

し、地域との繋がりは薄れました。「個」 の領域感覚は

拡大を続け、現代人は周囲の音や臭いにとても敏感に

なっています



ところが新老人は個室で育った経験が少ないないため、

「個」 の領域感覚が少々異なっており、これが原因で

衝突を引き起こしている、というのです



そのB 感情

サービス産業の丁寧化は、労働の現場に笑顔や真心

を持ち込み、それは「感情労働」 という新しい労働を生

み出しています



感情労働によって提供されるサービスは仮の姿であり、

本音を隠し、互いの違いを理解しあうというミュニケー

ションの本質を失わせています。新老人は感情労働に

より提供される秩序が理解できずにトラブルメーカーと

なっている、というわけです



               ☆



こうした3つの切り口における変化は、きっと過去にも

あったのでしょう。ただしその変化はきわめてゆっくり

で、自分が生きている間にパラダイムの変化に直面

することはありませんでした



世の中の変化はさらにスピードを上げています。今後

環境変化についていけない「新々老人」 や「新中年」

が増えていくのかもしれません












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