|
作曲家・久石譲は1950年生まれ、宮崎駿監督や北野 武監督の映画で音楽を担当、数多くのCMでも音楽を手 がける日本でトップクラスのクリエーターの一人だ。そん な著者自らが筆をとり、自らのものづくりの原点について 語ったのが本書だ ビジネスの世界とは縁遠い世界で活躍する著者だが、 実情はそうでもない。対象に必要なものを作り、クライ アントが満足するものでなければならない、そして作品 を観た客からの評価も必要だ そうかといって相手に迎合しては通用しない。「OKです」、 と言われても相手もクリエーターなので、予定調和を嫌う。 「まあ、こんなもんでしょ」、発注元がこう思っていると、次 の仕事は来ない。相手を上回る感動や裏切り、意外性が あってこそ、もう一度、「あいつに頼もう」となる ものを作る人間に必要なものは、自分の作品に対するこ だわり、独善に陥らないこと、そしてタフな精神力、と著者 は言う では、ものづくりの中心の感性や直感とはなにか。作曲に は論理的な思考と感覚的なひらめきを要するという。論理 的な思考を生み出すのは、自分の体験や知識の集積で、 これが95%を占め、残りがひらめきというセンスだ。だが、 これを生むのもまた自分の過去の体験という 自分に蓄えられたものが渾然一体となって、カオス(混沌) の中で想像もしなかった新たな自分に出会うこと、それが 作曲の本質だと言う この蓄積の差を生むのは日常の感受性の違いだろう。 同じものを見ても、映像を仕事にしている人はより多くの 情報を得る、同じラーメンを食っても料理人は多くのことを 感じる、感受性が鋭い人は同じ時間でも蓄積される内容が 質・量ともに違う。その蓄積の差が創造力の違いを生む この感じ取る力を磨くためには、自己規制をしない、既成 概念でものを考えない、第三者の自分の存在を持つこと、 琴線にふれたものを大切にすること、などを著者は挙げる 最近のビジネスでは、簡単に評価できない、予想できない くらいの影響度がある、こんな類の目標や提案、プロセス が重要視されている。作曲家とビジネスパーソンの距離は 意外に近い位置にあるのかもしれない 感動をつくれますか? (角川oneテーマ21) 久石 譲・著 角川書店・刊 税別・724円
|
| << 前記事(2007/07/05) | トップへ | 後記事(2007/07/18)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2007/07/05) | トップへ | 後記事(2007/07/18)>> |