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「はいチーズ!」 パッシャ。どれどれ・・・ あれ〜、なんか不自然な笑顔だなあ こんな経験は誰にでもあるだろう。写真を撮られると、なぜか 自然な笑顔が出ない。これは、顔には意識しても動かせない 筋肉があり、感情が生じたときにだけ動く。眼輪筋もその一つ。 カメラに向かって微笑んでも、眼輪筋が動かないからへんな 作り笑いになる こんな人間の感情表現として 「表情」 を長年にわたり研究 してきたのが、心理学者である著者のポール・エクマンだ。 「わたしの狙いは、読者が感情の働きの理解を深め、 より豊かな感情をもって生活するのを手伝うことにある」 と 本書を執筆した目的を語っている エクマンは冒頭、人間の顔の表情は、それぞれの文化によって 異なるのではなく、全世界で共通であることを明らかにする。 喜びや怒り、悲しみといった感情表現は、学習により得るもの ではなく、遺伝的に受け継がれている。それは盲目の人たちも 同じ感情表現ができることでもわかる そして、感情とは何か、発生のメカニズム、抑制することは できるのか、と話が進んでいく 後半からは個別の感情表現へと話しが進む。悲しみと苦悩、 怒り、驚きと恐怖、嫌悪と軽蔑、楽しい感情、これらについて 感情がいかに表情として現れるかが語られる 娘のイブがモデルとなり眉、上下まぶた、唇の両端や厚みを 微妙に変え、感情が表現される様子が解説される。著者によれば、 私たちは1万種類以上の表情を作り出すことができるという そして、私たちが感情を表情に現す役割・意味とは何か、 ある感情が相手から観察されたときの対処方法が、 ビジネスや家庭生活の場面を想定して示される 感情表情を作り出すエクササイズがユニークだ。 たとえば悲しみの表情は、口を開け、唇の両端を引き下げる。 そのまま目を細めるように両頬を持ち上げる。これにより唇の 両端を反対方向に引っ張り、視線を下げ、両まぶたを落とす エクマンによれば、悲しみや怒りなどの表情を作ると、身体と 脳に生理的変化が起きて実際に悲しみや怒りを感じるという。 常識がひっくり返る話だ。 「笑う門には福来る」 は本当だった 顔は口ほどに嘘をつく ポール・エクマン 著 河出書房新社・刊 税別 1700円
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